Now Loading...

Now Loading...

震災復興現地レポート・アーカイブ

福島県 伊達・相馬地域

最新調査

2018年8月7日(火)~8日(水)
調 査 先
JAふくしま未来 本店(福島市) JAふくしま未来 伊達地区管内あんぽ柿生産農家(伊達市、国見町) 伊達市役所梁川やながわ分庁舎、五⼗沢いさざわ地区交流館(伊達市)
調査概要
福島県伊達地域で、あんぽ柿の産地復興に向けて希望の持てるお話を伺いました。 ひとつは、震災後に就農した若手生産者のお話です。果樹農家として伝統産地を守ろうと、柿やモモ、リンゴの生産に取り組み、日々研鑽を積んでいます。
もうひとつは、あんぽ柿の産地復興を願う小学生の発案で生まれた柿のキャラクター「カッキーとカッキーナ」を主人公に絵本を制作した校長先生と、絵本の出版に協力したあんぽ柿生産者のお話です。
JAふくしま未来では、長年の経験を持つ生産者を「農の達人」として委嘱し、若手生産者や営農指導員に技術を継承しています。また、あんぽ柿の新たな販路を開拓すべく、アイスクリームや羊羹といった6次化商品を開発し、直売所で販売しています。2016 年6月に完成したあんぽ柿振興センター「あんぽ工房みらい」についても、シーズンオフの夏季にはモモの選果場としての稼働が検討されるなど、あんぽ柿の加工とパッケージにとどまらない活用が期待されています。
2018 年度のあんぽ柿の出荷量は1,400t(震災前の9割)の予定です。JAでは徹底した全量検査により安全性を確保し、消費者に対する情報発信に努めています。

※本調査結果については
『共済総研レポート』No.159
(2018年10月発行)に掲載しております。

夏場の柿畑(国見町)

直売所ではモモが最盛期

新鮮な野菜も飛ぶように売れる

2017年11月14日(火)
調 査 先
JAふくしま未来 そうま地区本部(南相馬市鹿島区)
NPO法人 懸の森みどりファーム(南相馬市小高区)
調査概要
JAふくしま未来 そうま地区(旧・JAそうま)管内は、福島県浜通りの北部に位置し、宮城県と接しています。相馬市と新地町では甚大な津波被害に、南相馬市と飯館村では原発事故による放射能汚染に見舞われました。JAは震災直後から先頭に立って農地の除塩・除染に取り組み、営農再開を目指してきました。
震災から6年余、管内は避難指示の解除が進み、一部の帰還困難区域を除き営農再開となりました。産地復活の起爆剤となるのが米の新品種「天のつぶ」であり、トルコギキョウなど園芸作物の生産拡大です。「天のつぶ」については、日本酒や菓子、炊き込みご飯セットといった6次産業化商品の開発にも挑戦しています。

『共済総研レポート』No.126(2013年4月発行)とNo.137 (2015年2月発行)でお伝えした南相馬市の酪農家・半杭一成氏は、2016年7月の避難指示解除により自宅に戻ることができました。酪農再開は断念せざるを得なかったものの、地域の再生に向けて志を同じくした仲間たちと、新たな歩みを進めています。

※本調査結果については
『共済総研レポート』No.155
(2018年2月発行)に掲載しております。

JAふくしま未来
そうま地区本部

新品種「天のつぶ」
加工品の数々

半杭一成氏の牛舎

2016年11月16日(水)〜17日(木)
調 査 先
JAふくしま未来
本店(福島市)、あんぽ柿振興センター あんぽ工房みらい(伊達市)
調査概要
2016年3月、福島県北地域の4JA(JA新ふくしま、JA伊達みらい、JAみちのく安達、JAそうま)が合併し「JAふくしま未来」が誕生しました。JA管内は吾妻連峰から太平洋沿岸の12市町村を擁し、多彩な事業・活動が展開されています。
伊達地域では、旧JA伊達みらい時代の2015年11月に着工した特産品「あんぽ柿」の加工選別包装施設「あんぽ柿振興センター あんぽ工房みらい」が2016年6月に完成し、今秋の収穫を機に本格稼働しています。
本施設は2階建てで、加工施設(2階)とパッケージ施設(1階)からなります。加工施設では栽培農家から持ち込まれた原料柿の皮をむき、燻蒸、自然乾燥させて仕上げます。パッケージ施設では生産農家が加工して持ち込むものを含め選別・検査し、包装・箱詰めのうえ出荷まで行います。最新のハイテクな機械を完備する一方、自然乾燥など昔ながらの加工方法の利点を活かした施設といえます。さらに衛生管理を徹底した本施設の活用によりこれまでも高評価を受けていた食味の維持とともに、安全・安心の面は強化されました。高齢化が進むあんぽ柿生産農家の作業負担軽減、生産基盤の安定化も期待されます。
あんぽ柿産地復興の動きは、大福などの和菓子やショコラなどの洋菓子といった、地域の製菓業者と連携した新商品開発にも見られます。震災前の生産量への回復と同時に6次化を推進することにより、伝統産地としてのさらなるブランド力の向上を目指しています。

※本調査結果については
『共済総研レポート』No.149
(2017年2月発行)に掲載しております。

あんぽ柿振興センター
あんぽ工房みらい

加工施設
(自然乾燥循環装置)

パッケージ施設
(フィルム包装機)

被災状況

 今なお10万人近く(2016年2月10日現在)が避難生活を余儀なくされている福島県。東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響による未曽有の複合災害から懸命な再生をめざしている。
 県災害対策本部のまとめ(同日現在)によると、死者・行方不明者は3847人。全壊・半壊合わせて約9万4000戸、一部破損を加えると24万戸近い住家に被害が出た。一番多い時(2012年5月)で、16万4865人が県内外に避難した。農業分野の打撃も甚大で、農地5460ヘクタール、1万7200経営体が復旧を要した。
 5年の時が経ち、各種インフラの復旧は進んだ。道半ばにも及ばない地域もあるが生活再建や、除染を中心とした環境回復は着実に進んでいる。1次産業が基幹産業である同県にとって農業の復興は、被災者の生活再建に結びつく。県によると、農地は被災面積の33%に当たる1820ヘクタールで営農再開が可能となり、被災した経営体のうち、一部再開を含め61%に当たる1万500経営体が営農を再開した。農地・農業用施設等の復旧は3180地区の76%に当たる2405地区で工事が完了した。
 桃を筆頭に果樹産地のJAふくしま未来の伊達地域(旧JA伊達みらい)は、延べ3万5000人を投入し果樹55万本を丸洗いした過酷な除染作業を乗り越えてきた。特産のあんぽ柿では出荷時の全量検査体制を整え、加工再開面積を拡大、農家の負担軽減や加工品開発、地域の雇用創出のために加工・包装施設の整備に乗り出している。津波浸水と放射能汚染という二重の災害に遭った相馬地区(旧JAそうま)では、行政や大学などの研究機関、企業とも連携して除塩と除染に取り組んだ。今では県のブランド米に関する協議会を立ち上げ、栽培技術の確立や食べ方の提案、加工品開発の3本柱で復興に向け、前進を続けている。ただ、帰還困難区域や居住制限区域を抱える南相馬市の酪農家などは苦境の中にいる。
 そして、県産農畜産物に対する根強い風評被害が重くのしかかる。米などで出荷時に放射能の全量検査を行うなど世界に類を見ない安全対策を講じているにもかかわらず、需給を無視した価格低下がある。震災前の価格水準は別世界と言える。さらに、被災地には忘れられる危機感が5年目にしてよりくっきりと浮かび上がってきてもいる。

(2016年3月11日)

[伊達地域]

[相馬地域]

  • 掲載レポート
  • 『日本農業新聞』の関連記事

掲載レポート

『日本農業新聞』の関連記事

なお本サイトに掲載した文章・写真の著作権は当研究所に帰属し、新聞記事の掲載については、株式会社日本農業新聞の許諾を得ております。