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ご挨拶

 新型コロナウイルス感染症への感染対策が引き続き行われている中、先行して医療従事者に対するワクチン接種が始まり、治療薬の開発普及も進めて、一刻も早く新型コロナウイルス感染症が収束することが望まれています。
 そんな中、新型コロナウイルスの新たな変異株発生も懸念されており、当面の間は、引き続き人と人との接触を避けるためにも、リモートワーク、オンラインによる会議・授業・研修などが広がっています。私たちの働き方や日常生活が大きく変容を迫られているのです。移動、集まる、対話するという人にとって極めて重要な自由が制約され、人と人とのつながりが薄れたり、集まって対話することで得られていた共感や感動を感じられる機会が大きく減ってきています。孤独を感じてしまいがちです。
 多くの人が、改めて人と人とのつながりの意義や意味を実感し、何十年と世代を超えて形成されてきたコミュニティの役割が見直されてくるのではないでしょうか。
 一方、在宅勤務は通勤時間がなく、また、オンラインによる対話は、移動時間なしで遠隔の人とも意思疎通、情報交換ができるというメリットがあることが分かってきました。リモートワーク、対面とオンラインを組み合わせた授業・教育の普及が進めば、18歳から22歳の若年層が、大学入学、就職のために東京圏に移るという一極集中傾向も変化する可能性があります。
 集積の利益と効率性をひたすら追求し、企業は大都市圏に集中立地してきましたが、それが大きく変わる契機となり得ます。日本全体では、人口減少、少子高齢化は進行するものの、人口の地方分散が進む可能性があります。
 そのためには、人を引き付ける居住自然環境、エネルギーの地産地消など地域内で経済が循環できる仕組みづくり、データの安全を確保できる良好なネット環境の整備など地域の魅力づくりが必要になってきます。人に共感や感動を与えられる環境づくりが、人を引き付ける大きな価値となっていくでしょう。  また、コロナ危機と同様、気候変動問題も世界的現象であり、その対応にはグローバルな協力体制が必要です。その際、地球環境に大きな負荷をかけるというのは、将来世代に犠牲を強いることに他なりません。将来世代に及ぼす利害についての共通認識が持てれば、長期的視点に立った対応策がもっと真剣に検討できると思います。
 JA共済総合研究所は、1991年4月に設立され、本年4月には30周年を迎えました。設立以来、農山漁村地域における住民の生命・財産の保障、事故予防、高齢化に伴う諸課題に対応するための幅広い調査・研究・研修に取り組んで参りました。これまでの皆様のご支援、ご協力に深く感謝申し上げます。
 コロナ禍は、農山漁村地域に住む人々の働き方、日常生活、暮らし方にも大きな影響や変化を及ぼす可能性があります。当研究所は、今後とも、これら社会・経済への影響や変化を的確にとらえながら、フィールドワークにオンライン手法を組み合わせるなどの工夫を凝らし、皆さまのお役に立てる調査・研究・研修と情報発信に取り組み、地域社会の発展に貢献していきたいと考えております。

2021年4月
一般社団法人 JA共済総合研究所
理事長 内藤 邦男