被災地で大豆試験栽培 10アール収250キロ目標 新たな施肥方法 農家に情報提供
宮城県東松島市の法人 JAいしのまきなどと連携

掲載日:
2017/3/28
発行元:
日本農業新聞

【宮城・いしのまき】東松島市牛網のサンエイトは、東日本大震災の津波被害を受けた住宅跡地の有効活用を狙い、大豆の試験栽培を始める。JAいしのまきや肥料メーカーの協力を得て新しい元肥と土壌改良材を使って収量を確保し、10アール当たり250キロを目指す。試験結果の情報はJAなどを通じ、管内の被災農地で大豆を栽培する農家に提供する方針だ。

同社は国の農業生産対策交付金などを活用し、施設や機械を整備。2013年に営農を再開した。14年からは被災した住宅跡地で大豆栽培を始めた。15年の収量は10アール当たり150キロだったが、16年は同100キロに低下。収量減少に歯止めをかけるため、10アール当たり250キロの目標を定め、新たな施肥方法などを確立することにした。

JA鳴瀬支店で3月上旬、同社の石森康夫代表取締役と肥料メーカー、石巻農業改良普及センター、JAの担当者が集まり、試験栽培の計画を確認した。

試験区は3区、計65アール設ける。元肥と土壌改良材の組み合わせを変えて栽培する。元肥は石灰窒素を主体とする。施肥、種まきは6月上旬を予定。JAと普及センターが生育や収量を調べる。

石森代表取締役は「各方面の協力を得ながら目標を達成したい。手間を惜しまずやっていきたい」と意気込む。肥料メーカーの担当者は「大豆栽培は3年目以降、雨水などの影響で土壌中の養分が減り、地力が落ちる。そういう状態の時に効果の高い肥料を使い、土づくりをする必要がある」と話した。