農家のたまご塾開講 法人で経営意識育む 翠生農学振興会東北大学大学院

掲載日:
2017/06/11
発行元:
日本農業新聞

公益財団法人翠生農学振興会と東北大学大学院農学研究科は10日、新規就農者や就農希望者を対象にした「農家のたまご塾」を開講した。18人が入塾。12月まで計11回、農業法人でのインターンシップの講座を予定。利益を生む経営意識を持った農家の育成を目指す。

入塾生のうち、宮城県内の法人や親元に5年以内に就農した人が9人。さらに、就農を希望する宮城農業大学校の学生と東北大学農学部の学生、社会人が1人ずつ参加。独立行政法人・中小企業基盤整備機構や一般企業など、農商工連携や農業のコンサルティングを手掛ける団体、企業から6人が参加した。

計11回の講座では登米市の伊豆沼農産など、6次産業化を実践する農業法人に3日程度滞在し、経営内容を学ぶ。この他、大郷町で水稲や大豆を生産する大郷グリーンファーマーズなどから講師を招き、土地利用型農業や施設園芸、複合経営について学ぶ。

菊を生産する登米市の佐藤農園に入社して1年目の鹿野睦さん(26)は「花の直売を任されているので、塾で学んだことを法人経営に生かしたい」と意気込む。

仙台市で開いた開講式で、塾長を務める同大学院の伊藤房雄教授は「農産物の生産技術も大事だが、農業経営には利益を生み出すことが基本。学んだことを経営に生かしてほしい」と激励した。