福島米シンガポールへ 「天のつぶ」1トン初輸出
JA全農福島は、東日本大震災や東京電力福島第1原子力発電所事故後、作付け再開が進むJAふくしま未来管内そうま地区産米1㌧をシンガポールに初めて輸出した。25日に発表した。同地区の復興加速につなげたい考えだ。
同地区は相馬市、南相馬市、新地町、飯館村で構成。水稲面積は約7800ヘクタールあったが、原発事故後、南相馬市と飯館村の約6600ヘクタールで作付けできなくなった。
2013年に一部地域で営農が再開し、16年度は約4200ヘクタールと震災前の半分以上に回復した。全農福島は大手米卸の木徳神糧を通じ、同地区で作った県オリジナル水稲品種「天のつぶ」200袋(1袋5キロ)を22日、横浜港から輸出。12月上旬から明治屋シンガポールで販売する。
JAふくしま未来の菅野孝志組合長は「シンガポールの人に喜んで食べてもらい、生産者の営農意欲向上につなげたい」と強調した。
天のつぶブランド推進協議会の濱田賢次会長は「『風評被害』の影響がある中、輸出は励み」と期待を寄せた。