あんぽ柿出荷本格化 数量2倍1157トン 福島県伊達市など再開地区拡大

掲載日:
2015/12/09
発行元:
日本農業新聞

 【福島・伊達みらい】東日本大震災に伴う東京電力福島第1原子力発電所事故後、再開3年目を迎えた伊達市などの特産「あんぽ柿」の出荷が8日、JA伊達みらい梁川共選場で本格的に始まった。2015年度は、出荷が可能な加工再開モデル地区が伊達市と桑折町、国見町の全域と福島市の一部に拡大。出荷量は14年度の約2倍で、震災前の75%に当たる1157トンを計画する。

 県や各市町、出荷団体で組織する県あんぽ柿産地振興協会は、出荷量が1157トンに拡大することを受け、全量全袋検査に対応するため、専用の放射性セシウム非破壊検査機器を7台増設。5検査場所で合計33台が稼働する。

 JAの担当者は、今年の出来について「原料となる柿の品質が大変良い。今後さらに乾燥に適した気候になる。極上のあんぽ柿が期待できる」と話す。

 出発式では、JAの安彦慶一組合長が「出荷の今年度の目標を達成し、伊達地方の産地再生と一層の復興を目指す」と強調した。

 テープカット後、関係者が見守る中、同日の出荷分30箱(1箱8パック)を積み込んだトラックが、京浜地区の市場に向けて出発した。