野菜豊富でファン獲得 客数5倍48万人に 研修重ね技術磨く/岩手・JAいわて花巻「母ちゃんハウスだぁすこ」

掲載日:
2014/06/19
発行元:
日本農業新聞

 岩手県のJAいわて花巻の農産物直売所「母ちゃんハウスだぁすこ」は、今や年間50万人近い客が訪れる。人気の秘訣(ひけつ)は、常に野菜が豊富にあること。その人気を支えるのは、勉強会や視察研修などで毎年、栽培技術を向上しようとする生産者の熱意だ。

 同産直を開設した1997年当初の客数は10万人、売り上げは約1億8000万円。それが昨年は48万人と5倍近く増え、約8億7000万円になった。品切れになった野菜を出荷する生産者には、棚の補充を依頼する配送メールが送られる。多い人で1日3回。その都度、新鮮な野菜を搬入。冬場でも地場産野菜を多く扱うなど、客足が年中、途切れない。

 こうした生産者に支えられ、客数、売り上げを着実に伸ばす同産直だが、それを背後から後押ししてきたのが、生産者で構成する「母ちゃんハウスだぁすこの会野菜部会」が立ち上げ時から行う、勉強会や視察研修だ。

 今月も野菜の栽培講習会があり、長期安定出荷に向けた抑制栽培や、栄養診断と土壌診断を学んだ。栽培講習会だけでも年に3、4回開く。生産者の知恵袋的な存在として、評価されている。

 現在の部会員は、242人。照井久美子部会長は「家庭菜園レベルだった野菜が、出荷できるようになった人も多い。技術向上に加えて、新品目の栽培にもチャレンジできるような講習会もやっていきたい」と話した。(いわて花巻)