あんぽ柿 果実や樹木、周辺の土壌 出荷再開に向け調査/福島・JA伊達みらい 年明け中間まとめ

掲載日:
2012/11/21
発行元:
日本農業新聞

 【福島・伊達みらい】2年連続で出荷自粛を余儀なくされた福島県特産のあんぽ柿産地のJA伊達みらい管内で、来年度の出荷再開に向けて、果実や樹木、周辺土壌の徹底調査が進められている。調査の中間結果は、年明けごろにまとまる見通し。JAは来春までに、再開に向けた対策を練る方針を打ち出している。

 樹体を調べるための柿の木の伐採や土壌採取などの作業が13日、伊達市霊山町小国地内の柿畑で行われ、県などの行政やJA全農福島、JAの担当者らが作業を行った。

 園地では、樹齢約30年の柿の木を切り倒し、幹や枝を部位ごとに切断。1センチ幅に輪切りにしたものや年ごとに成長した枝の他、切り分ける際に出るおがくず、根も掘り起こし採取した。

 採取した木や根、土は、調査協力を依頼している大学に送り、放射性物質の移行割合や経路についての調査を依頼した。

 今月2日に採取した柿の実と葉については、現在同JAと伊達市が検査を進めている。

 JAによると、あんぽ柿の出荷量と販売額は2010年産で1229トン、約18億6000万円。今年も出荷自粛により、生産できなかった。

 調査の指揮をとるJAの数又清市参与は「あんぽ柿の生産出荷を再開するため、調査結果に基づいた対策を、いち早く講じていきたい」と話している。