農家負担ゼロに/仙台市東部沿岸圃場整備 津波被災の1800ヘクタール対象

掲載日:
2011/10/29
発行元:
日本農業新聞

 仙台市は28日までに、東日本大震災で津波被害を受けた東部沿岸の農地1800ヘクタールの圃場(ほじょう)整備事業について、農家負担をなくす方針を明らかにした。家や農機を失うなど、大きな被害を受けた農家が、資金を出さなくても圃場整備に参加できるようにする。早ければ、2013年度から着工する。市は今後、対象の地権者約2400人に参加するかどうか意向を確認するため、アンケートを発送する。

 国の「農用地災害復旧関連区画整理事業」を活用し、農地復旧と区画整理を進める。通常の費用負担割合は、国と県が合わせて約98%、市と農家がそれぞれ約1%だが、農家の分も市が負担する。市の試算では総事業費約160億円で、うち市の負担は3億2000万円となる。

 東北農政局によると、津波被災地の圃場整備事業で、農家費用負担を免除する制度を設けるのは初めて。

 JA仙台の渋谷奉弘震災復興推進課長は「水田区画が10アールと小さい地区で特に、基盤整備を進めたいとの声があった。今回、費用を負担せずできるのはいい機会だ」と期待する。