農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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95私の会社もお客様もそれぞれの利益を第一に考えてお付き合いをしてきたのですが、それだけではない「地域の絆」のようなものが育まれています。私が勤めていた会社は今年で創業125年くらいになる老舗ですが、先代は「仕事は細く長くやりなさい」と言っていました。地域の会社ですから、何があっても地域から逃げられないし、長く続けないと事業も継続できない。自分のためだけに商売をしようと思って利益を得てもいけない、と折に触れて社員に話していました。若い頃は生意気に「そんなことで会社は儲かるのかな」と思った時期もありましたが、今はとてもよく理解できます。自分の会社でも、そういう気持ちで企業の皆さんとお付き合いをしてきました。現役を引いてしばらくして、「あらためて信州エクスターンシップを始めるので、ぜひご協力いただきたい」と皆さんにお声かけをしましたら、自分で言うのもおこがましいのですが、10社訪ねたら7~8社は「分かった」と言ってくれました。特に人事系の方が多いので、「うちに来てくれる人間はいるのか?」「長野県出松井 秀夫氏

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