農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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86信州エクスターンシップは新しい人材還流の動きをつくる先駆的な試みであり、企画から企業集め、現地での学生の送迎を含め、運営はけっして楽なものではなかった。しかし、Uターン促進を重要課題とする長野県をはじめ、地元企業、NPO、JA長野県グループ、明治大学社会イノベーション・デザイン研究所、JA共済総合研究所など、それぞれが組織を挙げ一丸となって取り組んだ。ネットワークを組み、各人が本気で役割を全うした結果、参加した学生もハードなプログラムにもかかわらず取り組み、人間的成長を実感してくれた。本事業を通じ、環境変化による学生の気づきや体験することの必要性など、今後の発展のさまざまな可能性を見い出すことができた。一方で、地元企業の利得づくりが今後の課題として浮かび上がった。信州エクスターンシップは、分断を解消する一つのアプローチでもある。今後の展開によっては、地方創生の分断の構造を解消する活動として、新しいモデルを示すこともできるだろう。公開ワークショップ講 演 要 旨農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略~首都圏大学生を対象とした地域滞在型就業体験事業「信州エクスターンシップ」から見えてきたこと~

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