農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
7/144

5する不安や交通、買い物といった生活上の問題から実際の移住に踏み切れないといった現実があるようにも思われます。今回の「信州エクスターンシップ」は、地方移住・定住に関心のある若者に実際に就業体験の機会を与え、受け入れる企業、農業の生産現場、地域コミュニティもこれらの若者が本当に就業定着するには何が必要かを感じ取ってもらうプログラムでした。ただ、当然ながら大学(学生)、行政、企業、JAなど参画するそれぞれの立場の方がメリットを享受できる仕組みを構築していかなければなりません。関係者による長期的な戦略のもと、本来のインターンシップの意義を尊重しつつ、すべての関係者に実施のメリットを得られるようにしていくことで、今後このような取組みが日本全国に広まり、都会の若者による地方への移住・定住の流れがより大きくなることを期待しています。最後にセミナー当日、会場に駆けつけてくれた信州エクスターンシップ参加学生が述べてくれた意見をご紹介します。(要旨)「僕たちの世代は、グローバル化が叫ばれる中で『世界に目を向けろ、英語を勉強しろ』と言われることが多く、地方、いわゆるローカルなところに目を向ける機会がそもそも少ないと思う。このエクスターンシップはいわゆるローカルな方向に目を向けていくものだと思うが、そういう機会がそもそも与えられていないというのが、これまでの自分の人生から見た現状だと思う。エクスターンシップはこれからもローカルに目を向ける機会としてたくさんの学生に発信してもらえると、学生側も関心を持つのではないだろうか。」

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る