農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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60それは悪いことではありません。経験して初めて欲が出て、「なら、こんなことができるじゃないか」と企業も考えられたようです。この先、受入先にとっての今回の利得は何なのかをきちんと考え抜いた制度設計に変わっていくならば、「領域Ⅰ」にシフトする可能性は高いでしょう。そしてこれは、1週間という仕組みだからこそ価値があるのかもしれません。いろいろなところに転用できるかもしれません。汎用性が高いということは、裏を返せばいろいろな場所でチャレンジできるということです。(8)信州ESの成功が教えてくれたこと信州エクスターンシップやわれわれがやってきたPBL型合宿を整理して見えてきたこと、それは、協働するメンバーが信頼をおけるように思考し、それを実現するような制度設計を行うことが非常に大事だということです。そのためには、いかに最初にキーパーソンを見つけられるかに尽きると思います。もう1点は、「疑う」ということです。常識や当たり前を疑うことが大切です。どうしてもわれわれは成功体験に縛られます。でもよくよく考えたら、それは本当に成功体験だったのでしょうか?すべてのことについてわれわれ自身が、「今、これは本当に意味があるのだろうか」と問い直すことが大切です。それは学生も同じですが、われわれには経験があるわけですから、いい意味でもっと違うことが発想できるかもしれません。そう考えると信州エクスターンシップも、キーパーソンを見つけられたこと、今までの当たり前を当たり前ではない形にしたことによって、プログラムは成立したのでしょう。「長いインターンシップをしなくてもいける」ということを、信州エクスターンシップは示してくれ

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