農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
61/144

59組織・地域における変革の新視座 ~協働型人材育成活用からのアプローチ~(6)合宿効果の波及プロセスなぜこんなことが起こったのでしょうか。「共感」という言葉を出してきた理由は、最初に徹底して信頼関係をつくることに腐心したからです。信州エクスターンシップも、おそらくここにかなり腐心されているのではないかと思います。お互いにある程度の信頼関係があると、知識的なものも吸収しやすくなります。ですから、お互いに「こんなことも分からないの?」となるのではなく、「それはこういうことだ」ということを支援できる環境をつくりました。そのことにより、自分がどのような知識・技術のレベルにあるかがよく分かるようになります。それは自分の力だけではなく、仲間や講師のおかげだということが明確になります。相互信頼は意味があるということを体感することによって、「自分は今こういう状態にあるのだ」ということがよく分かり、それによって「では思考行動をもうちょっと変えてみよう」「こんなふうになれたらいいな」という行動基準が起こり、結果として正の相関が大変強い状態が生まれてきたということなのです。事後アンケートでも「思考行動が変わった」と答え、事後に肯定感が上がった学生が多く見られました。(7)信州ESの協働型要件の成立状況信州ESのアンケートの結果から、私自身は信州エクスターンシップを図14(61頁)のように結論付けました。今年度はまだちょっと辛めの評価かもしれませんが、協働型要件の成立状況は「領域Ⅱ」にあるのではないでしょうか。学生にとっては非常に意味がある。ただ、企業にとっては「まだまだこのようにしたらいいな」という声が若干あります。

元のページ  ../index.html#61

このブックを見る