農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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56域社会に関わったことで、新しい視野や経験ができた」など、いろいろなことを書いています。こういった言葉が出てくるということは、おそらくこの1週間に、共感・シンパシーをベースにした空間が成り立っていたのでしょう。企業組織において共感し合うというのは、大手・中小関係なくものすごく難しい。けれども、これができるとものすごく力を発揮すると言われています。共感とは賛同ではありませんので、「ひとまずあなたの考えを私は受け入れます。自分の価値観では判断しません」という姿勢です。言うのは簡単ですが、われわれ教員はもちろん、組織においても、「あなたが言うのはね」と返す方が多いものです。聞いているのだけれど、必ず自分の価値観で評価してしまいます。よかれと思って言うのです。しかし、それは共感ではありません。自分の価値観を押し付けるための機会を持っていると理解したほうがいいでしょう。でも、聞くとなったら徹底的に聞く。その日は絶対に聞く一方とする。一言も自分の価値観を言わないくらいの腹くくりをする。そうしないと共感の場は生まれません。(4)「共感」を基盤としたPBL型合宿PBL(Project Based Learningの略)型連携大学合同合宿とは、2014年に高知大学と桜美林大学、中央大学が協働し、3年生を対象に、首都圏で大手企業を訪問する仕組みを3日間実施したものです。あとで登壇される鈴木賞子先生にも、この訪問企業研究ワークショップに参画して支援をいただいています。最初に、「企業で働くとは何ぞや」「企業の組織運営はどうなっているのだろうか」ということで、本学の客員教授であり企業の人事部長をされていた

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