農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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51組織・地域における変革の新視座 ~協働型人材育成活用からのアプローチ~き、「自律」が大変大事になってきます。そして、行動した結果を人々がいろいろな形でフィードバックし合うわけです。しかし、信頼関係のない人たち、命令しかされない、言われたことしかやらないような人たちが集団を組んでしまうと、いろいろな経験知があるにもかかわらず、ほとんどそれは組織や個人の行動にフィードバックされていかないということが起こってきます。しかしこれがうまく回ると、課題が仮に派生しても、外部の力を借りなくても自らが改善していけるという自己組織化の仕組みが動き始めるわけです(図9)。そこでインターンシップをうまく使うことで、社員の関係を変えることができます。中小企業でインターンシップを使っていただいている方からも、「それまで若手社員はただ言われるだけでしかなかったのが、学生を支援することによって、ほかの部署の先輩たちにいろいろ協力を求めるようになる。その結果として、社員の関係性を変えてくれた」と言われました。各企業が持つ課題にもよりますが、組織を変える一つの方法としてインターンシップは使えるのではないでしょうか。(16)組織の変革モデルでは、組織が変革を起こしていくときには何が大事なのでしょうか。先ほど申し上げたように、協働者の信頼コミュニティを醸成する装置は4種類必要です。これがきちんと動いたら、協働している皆さん方の間で徐々に「信頼に足る人たちだ、組織だ」という意識が醸成されてきます。その醸成プロセスは、例えば学生側から見たら「脱・常識化」で、今までとは、何か違う自分になっていこうと一歩踏み出す。それが学び

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