農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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48その一つとして、社員研修型のインターンシップを組み立てられたら、企業は本気になってくれるかもしれない。さらに学生の本気を醸成する仕組みを作れば、上質な関係性密度が実現できるかもしれない。この考えを基に、「人間関係形成インターンシップ(SBI:Society Based Internship)」は開発されたわけです。(13)SBIの狙いでは、どのようにSBIを協働型にしていったか。高知には、社内でOJT型人材育成が困難な企業が相当数あります。10人未満の企業ではなかなか人材育成はできません。一方、大学側としては積み上げ型の学部も結構ありますので、学期中の長期のインターンシップはかなり厳しい。学期中でないときに質の高いインターンシップを大学はどう提供できるのか。また、地域の大学は地域企業・組織のハブになっていきたいとは言っているものの、技術以外の要素ではつながりは実現できなかったという背景があります。そこで、「関係者間の信頼コミュニティ醸成の有無がインターンシップの質を決める」という視点で作ったのがSBIプログラムです。SBIは企業にニーズがあります。実はわれわれは当初国の補助金等を使っていたのですが、これが終了したとき、企業の方々から「お金を出すから続けてもらいたい」と言ってもらえました。お金を出してもいいから社内研修・人材育成として一緒にやりたいと言ってもらえるまでになりました。(14)SBIプログラムの特徴会社は、社内の人材育成をうまくやりたい。一方、学生には人間関係で苦しんでいる者も結

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