農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
48/144

46いうことで作り上げました。しかしやっていくうちに、「場所や期間はインターンシップの質保証の一要件に過ぎない」「インターンシップ成果の質を左右する関係者の本気度レベルは、長短や遠近以上に、学生と受入先双方の本気と覚悟醸成機能内包の有無の方が、より重要な要因なのではないか」と考えたのです。これがある種の「脱・常識」で、当たり前を疑うということです。実習は短期かつ地元であっても、本気と覚悟を双方が満たすプログラムならば高い成果を得る可能性は大きいということにやっと気づきました。協働型インターンシップを、もう少し幅広く捉えられるのではないかと考えたわけです。それは職場でも同じです。インターンシップであれ何であれ、何かを実践するときに人々が本気になることがものすごく大切だということを痛感しています。30年の大学教員生活を振り返って、学生が本気になることがいかに難しいか。でも本気になった瞬間に、学生たちの成長は明らかに飛躍するということが間違いなく起こっています。(11)第3の実習本気度構成要素図7は、関係者の本気度レベルを実習期間の長短、実習地の遠近の2要因だけで表したものです。これだけで本気度レベルを評価すれば、「領域Ⅰ」の「遠い/長い」CBIはうまくいくが、「領域Ⅲ」に位置する地元や短期の実習は、本気度が低くうまくいかないということになります。つまり、地元で行うインターンシップは成功しないということになってしまうのです。でも、それはおかしい。地元の企業の人たちも変わりたいのです。実はかなり以前から、大学と一緒に何かやり

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る