農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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44装置②では、「学生側が本気になるために、大学はどのように支援をしたらいいのか」「受入先の企業が本気になるというのは何か」「本気になる企業にちゃんと出会わせていただくような仕組みはあるのか」という点が問われてきます。学生・大学・企業サイドがお互いに本気と覚悟、あるいは理念を持って出会うような装置を作らないと、うまくいかない結果になると思います。(9)CBIの授業体系と内容高知大学では12年前から、2年生の1学期に、インターンシップに半年間行かせるCBI(Collaboration Based Internship:長期社会協働インターンシップ)という授業を開講し、首都圏のベンチャー系ないしは中小企業に学生を送り込んできました(図6)。半年間地元を離れ、勉学ではなく実習をするわけです。親の反対を受けながら、友だちからも「学生なのになぜ半年も働くの?」と言われながらです。しかも、入学から半年経過した時点でエントリーさせます。2年生になって行きたいと思っても時すでに遅しという仕組みですから、学生にとっては非常に心理的ハードルが高い。つまり、1年生の10月の段階で半年もインターンをするということの本気と覚悟をどうやってつくるかが最初のプロセスです。制度は改善の連続でしたが、ここで本気を醸成しました。ポイントは、学生たちの思いを汲み取れる企業をいかに見つけられるかでした。私たちは首都圏の企業のことは分かりませんので、東京で20年くらい長期インターンをしていたNPO法人ETIC(*4).と組み、彼らの紹介で望ましい企業と出会わせていただきました。学生の実習中には、われわれ教員も月1回出

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