農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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38ちでつながる世界があります。これに対して、1967年に人や組織がつながる経験則「スモールワールド」という概念が開発されました。6人の知人をたどると目的の人に出会うという考え方ですが、それを数式化してシミュレーションで解き明かしたのがダンカン・ワッツ&ストロガッツです(*2)。レギュラーの場合には要素が分断されていますから、違う要素とつながりたくても関係性が切れているのでなかなか探せない。本当は必要な情報がほしいのだけれど、真向かいの人と知り合いたいのだけれど、遠いので横に順々にたどっていっても、そこに至るまでに情報が減衰してしまい正しく伝わらない、あるいは出会えないということが起こります。図1の中心のポッコリと空いている穴が、必要な情報が落ち込んでいる「構造的穴」とも言われる部分です。それに対して、隣との関係をちょっと絶つ勇気があると遠隔地の人につながっていき、一番安定的に動く。そういった世界を彼らはグラフ理論を使ってシミュレーションし、発見しました。「ランダム」は、まったく規則性なく人や組(図1)3つのネットワークモデル

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