農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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35組織・地域における変革の新視座 ~協働型人材育成活用からのアプローチ~1.はじめに私が大学院の頃から研究してきたのは、理論経済学、マクロ経済政策です。「人はほとんど1種類」と捉える世界で分析することがメインの分野です。「組織・地域における変革の新視座」については、「人を人として1種類で見ていいのかな」という素朴な疑問から始まり、大学でインターンシップ等の開発に取り組む中で、理論などを活用しながら徐々に見い出してきました。つまり、いわゆる地域経済やキャリア教育の専門とは遠いところにいたということを前提にお聞きいただければ幸いです。新視座を導くのに使ったアプローチは、協働型人材育成です。視点は一つの方向性だけを示しますが、「視座」には哲学が入ってきます。したがって、私自身の価値観、世界観、人生観が含まれているとご理解ください。新視座は2つあります。1つは、コラボレーションとよく言われる「協働者信頼コミュニティ」の醸成です。もう1つは、当たり前を疑う「脱・常識の思考行動」です。今後の価値多様社会においては、これらがとても大事になってくるのではないでしょうか。この2つは当たり前のことのように感じられますが、ここにたどり着くのに私は十数年かかりました。当たり前というのは本当に難しく、これでよいのかという問いの繰り返しです。本日のご報告は大きく2つに分かれます。1つ目は、「協働型人材育成の仕組みを活用した新視座をいかに充足させるか。そのメカニズムは何か」ということ。2つ目は、「信州エクスターンシップ」について私なりの解釈をさせていただき、「どこに価値があるのか」という点についてご報告します。

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