農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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34協働とは全関係者が利得を得ること。協働型システム成立には、その制度設計・運用の思想と能力が求められる。インターンシップで目指すべきは、企業・社員も大学・学生も利得が大きい領域。それには双方が本気と覚悟を持つ装置を作る必要がある。高知大学では学生を首都圏に半年間行かせる協働型インターンシップを実施してきた。ただ、本気と覚悟があれば実習期間の長短や実習地の遠近は阻害要因にならない。信頼関係を醸成する仕組みにすれば短期かつ近場でも協働型が成立すると考え、人間関係形成インターンシップ(SBI)を開発した。SBIは学生と若手社員の両方を支援し、受入先からの評価も高い。信州エクスターンシップは2点から評価できる。1つは、自己対峙と他者との濃密な関係を形成し、学生の本気を醸成したこと。2つめは、コーディネートにより企業の本気を醸成したこと。共感を基盤とした空間が成り立っていた。長期でなくても成功し、信頼関係実現の制度設計の重要性と、脱・常識の大切さを示した。基調講演講 演 要 旨高知大学 地域協働学部 教授池田 啓実組織・地域における変革の新視座~協働型人材育成活用からのアプローチ~

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