農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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32と気付いた別の学生は、自分はリーダーではないけれど一番年上だったので、一緒にお風呂に入って、その学生の話をいろいろと聞いた。そうして、その学生の一番得意なデザイン・レイアウトを全部任せ、ほかのメンバーの活動と切り離すことでチームをうまくまとめることができました。これらは典型例です。ほかのチームの多くは、自分の得意な能力あるいはスキルを持ち寄り、分担してまとめると発表ができてしまう。でもこの2チームは、「軋轢の中でどうやって相手と人としての調和をもたらすか」という対人的知能を使わざるを得ない状況に陥りました。こうしたことは組織内でもよく起こります。これをたった1週間の、エクスターンシップ最終日の発表の場の中でつくれたのは、教育的な効果として大きいと思います。この種のことが、創造的対立の効果を生みます。軋轢が発しても、その軋轢をいかに生産的な対立としてみんなで利用できるかということです。これがチームにおける創造性を発揮する非常に正しいやり方だということが、最近よく言われています。そうした状況をつくることができたのが、今回の成果ではないかと思っています。

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