農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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31信州エクスターンシップの航跡ており、これらをきちんと取り出すというのが、フィードバック手帳のいいところだと思います。それによって「記憶する自己」を再構成できるのではないかと考えています(図11)。最近の仮説としては、取りこぼした「経験する自己」から「記憶する自己」へフィードバックさせることでコルブの経験学習モデル(図4)が回るようになること、これこそが学習ではないかと考えています。そのためには、日々の小さな結果を記録して、強みの原石や創造性を取り出すこと。また、強みの原石を探すため、メモを取らずに記憶に基づいて全体を構成する後知恵の解釈をいかに止めさせるかということ。これら2点がポイントではないかと思います。7.実施後の気づき最後に、「信州エクスターンシップ」実施後に考えたことです。学生には最終日、チームごとに発表をしてもらいましたが、実は発表前日の深夜まで延々と議論し続けたチームが3つほどありました。全9チーム中3チームはほぼ徹夜をしています。あるチームでは、1人だけ非常に強い意見を持ち、その学生が主張を変えないのでなかなかまとまらない。ほかの3人が困り果てて、前日深夜12時に女子学生が私のところに来て「まだ1行もできていません。まだ話し合っています」ということがありました。いくら話しても平行線。そのあとも延々と議論をして、結局、相手もだんだん疲れてきたらしく、次第に「うん、うん」と言うようになり、まとめられました。相手が疲れるまで延々と説得を続けたというチームです。別のチームでは、1人の学生が突出して能力が高いのだけれども、協調性があるわけではありませんでした。「この子ちょっとおかしいな」

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