農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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17信州エクスターンシップの航跡1.本気のインタビュー(1) キャリア教育と人材育成の統合「信州エクスターンシップをどのように発想して、どのような結果が出たか」について、お話しします。信州エクスターンシップで最初に考えたのは、どのように学生と社会人の接点を考えればよいかということでした。学生は学校で勉強していますが、最近はキャリア教育の観点が大学にもかなり浸透してきています。一方で社会人は、組織の中でどのように人材育成がなされるかがターゲットになっています。これについては「同じ教育の問題を裏表で考えているだけだ」と私は考えていて、「同時に満足できる方法があるだろう」「学生と社会人とがともに学ぶ場として、キャリア教育と人材育成が同時に機能するような場はつくれないだろうか」「そういう場をつくれればうまく機能するようになるだろう」というのが当初の考えでした。そのヒントになったのが、インターンシップについて高知大学で長く豊富な経験をお持ちの池田啓実先生の「学生と社会人がともに『本気』になること、それがないと駄目だ」という話でした。もう一つは、今日も登壇される成蹊大学の鈴木賞子先生がおっしゃっていた『インタビュー』です。インタビューはやり直しが効かない真剣勝負で、かなり効果的な方法らしいということです。『本気』と『インタビュー』が非常に大きなヒントとなって、今回共通のカリキュラムとして『本気のインタビュー』を考えました。(2)学生と社会人との共通の接点学生は主としてプライベートな空間に住んで(*)自己効力感(self-ecacy):ある目標を達成する状況において、必要とされる行動を遂行できる能力があるという可能性を認知すること。行動を起こす前に感じる「できそう!」という気持ちや「自分にはここまでできるんじゃないか」という考えのこと。カナダ人心理学者アルバート・バンデューラが1977年に提唱したもので、社会的認知理論の中核的概念のひとつ。

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