農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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16信州エクスターンシップの教育面での主題は異文化コミュニケーションである。新卒1年目をプライベート(学生の主な領域)とパブリック(社会人の領域)の交差する時期と捉え、「どのように社会人になっていったか?」をインターン先の若手、中堅、ベテラン・経営者の各層から聴き取る「本気のインタビュー」がメインの活動である。夜間にはフィードバック手帳への記入を学生に課した。これはドラッカーが推奨した、自己との対話、目標設定、行動、目標と成果の照合を繰り返すことによって自身の「強みの原石」を発掘する活動である。そしてそれをグループワークで整理し、最終日に大勢の社会人の前で成果報告をさせた。各種学生調査の結果から、信州エクスターンシップは短期プログラムながら自己効力感(*)の向上など様々な教育効果があったことが確認できた。また期間中には、チームが崩壊しかけた際に対人的知能を駆使して物事を前進させる様子が観察できた。これもまた厳しい時間制約と異文化コミュニケーション空間を強いたことによる教育効果の一つであった。基調報告信州エクスターンシップの航跡講 演 要 旨明治大学 法学部 教授同大学 社会イノベーション・デザイン研究所 副所長阪井 和男

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