農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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139ンの場をふんだんに盛り込んだもので、異文化体験型インターンシップの色彩の濃いエクスターンシップになっている。魚津市から当研究所が受託し、明治大学社会イノベーション・デザイン研究所ならびにウェルネス・ライフサイエンス研究所との異能種研究機関連携により、相補的な機能分担を図ることで実現できた企画である。全国の農山漁村地域が抱える「若年層の流出による人口減少」という社会的課題の解決に向けて、都市から地方への若年層人材還流をテーマに、都市部の大学に通う学生に地方での学びと地域住民との永続的な交流の機会を提供することが狙いである。したがって、学生たちのグループワークのテーマは「魚津をもっと魅力的にするために、わたしたちにできることは何か」であり、報告会では彼らの考える具体的なプランが公開された。最終日の成果報告会は、参加した数人の学生にとっては新たな取り組みへのスタートラインになった。彼らは問題の本質を行動によって検証するため、自らの意思で、あらためて魚津という土地を訪ねようとしている。滞在期間1週間とはいえ、思考と対話を繰り返すプラグマティックな経験のなかで、明らかに魚津に生きる人々と学生たちの関係性密度は高まっている。ふりかえってみれば、それは魚津という土地にダイブする「地域そのものへのインターンシップ」であった。ここにエクスターンシップの新たな可能性の萌芽を確認することができる。

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