農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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1333.日本の政策的課題とエクスターンシップ政府の掲げる「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月閣議決定)においては「希望出生率1・8」という数値目標が示され、出生率の向上が日本の重要な政策課題であることを強く打ち出している。その目標を達成するためには、すくなくとも子どもを産み育てることの喜びを実感できる社会への変革、すなわち生活の場の再構築が求められていることに疑いの余地はないだろう。その一方で、高齢化リスクに対応するための社会整備も急がれている。たとえば「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」には、高齢化の進展に伴い認知症高齢者の数はさらに増加すると予想されるため――示されたデータでは、平成24(2012)年に462万人(高齢者の約7人に1人)であった認知症高齢者が、平成37(2025)年には約700万人(高齢者の約5人に1人)に増加する――、基本的考え方として「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」という目標が掲げられている。厚生労働省は「地域包括ケア」という新しい概念――哲学といってもいい――を示し、そこには「団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現していきます」という目標が掲げられ、具体的な進め方として「保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、

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