農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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1301.はじめにJA共済総合研究所は、農山漁村地域で展開される地方創生への取り組みを支援する新たな研究基盤として「地域再生・基盤研究グループ」を設置し、これまでにも全国の農山漁村地域に住まう多くの人々と協働しながら社会学的あるいは政治学的ともいえるアクションリサーチを実施してきた。第一次産業を再生するための多角的アプローチや、地域医療体制の再構築ならびに地域包括ケアの在り方の検討、さらには再生可能エネルギーによるエネルギーの地産地消を探求し、その過程で6次産業化の促進や新たな公共交通システムの実験的導入なども実施してきた。それは「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に謳われた「地方の「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を確立し、地方への新たな人の流れを生み出す」という趣旨とも、ある意味で目的を共有するものである。一見するとフォーカスの定まらない対症療法的な活動に映るかもしれないが、そうではない。この広角的で複雑な研究的アプローチを選択したことについては、じつは明確な根拠がある。その考えに至ったのは、生活基盤の再生と地域経済の再構築は表裏一体となっており、どちらが欠けてあとがき一般社団法人 JA共済総合研究所 調査研究部 主席研究員  川井 真

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