農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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121がせっかく来られているので、さきほど「地方も働くターゲットにしたい」とおっしゃった理由を聞かせていただければと思います。参加学生:そんな高尚な理由は(笑)。僕は小さい頃からスキーや登山で長野県を訪れる機会がすごく多くて、東京にはない大自然だとか、食べ物がおいしいだとか、そういうところに魅力を感じています。僕は東京でずっと育ってきたので、そこから一度抜け出して、地方でやってみるのもありかな?と考えて、今回参加した次第です。池田:ありがとうございます。私から簡単にコメントを追加させていただくと、高知大学地域協働学部は、2016年度の2年生が1期生です。1年生から毎年、7月末、1月末に小論文を書かないと進級できないということでハードルを高くしてしまったのですが、ある女子学生が中間レポートで、このようなことを書いていました。つまり、今の若者の意識は生きがいなどにあるのだけれど、都市部の企業にそれがあるかというと、ない。では、田舎にあるかというと、これも実は少ない、ということです。学生は農業に可能性を見ているのだけれども、農業自体が若者の働きがいを実現しているのかというと、ちょっと問題があるのではないかと考えている。でも逆に言うと、本当にそれを実現できる職場、働き方を、もし農業なりJAさんや地方の企業さんが実現できたならば、そのことを潜在的に多くの若者が希求しているのだと思います。先ほど、「ここに来てくれ、来てくれと言って、あなた方は努力していますか?」と申しました。参加学生さんの場合は田舎というものにすごく関心があって、働きがいそのものが魅力なのではないかもしれないけれども、そういうことをわれわれ自身が問いかけていますか? 今働い

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