農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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110阪井:ありがとうございます。鈴木先生、いかがでしょうか。(*2)Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせた造語で、1990年代のアメリカで冷戦終結後の複雑化した国際情勢を意味する軍事用語に由来する。これら4つの要因により、現代の社会経済環境がきわめて予測困難な状況に直面していることを表現している。(2)環境変化からの学び鈴木:メカニズムは大事です。また、先ほど「偶然ではなくて再現性が重要だ」というお話をされていましたが、特に学生の立場で考えたとき、環境はとても大事だと思います。例えば都会の学生にとって、24時間コンビニエンスストアが開いているのは当たり前のことです。でも、地方へ行くとコンビニエンスストアは周りにないし、しかも24時間開いていない。学生たちが学ぶ環境からして都会と地方とでは違うのです。そういう違いがあること、自分が当たり前の環境にいるということ、環境は変えていくこともできるということを、ほかへ行ったときに学生が気づくだけでもとても大事なことだと思います。そういった意味ではそれは偶然ではなく、自分が自らエクスターンシップを選んだのです。長野の学生さんと一緒の環境になってお互いに違う環境をすり合わせることによって、いろいろな学びが出てくるのではないでしょうか。それに気がついただけでも、私は学生さんにとってはものすごく大きな収穫なのではないかと思っています。(3)新たな地方創生に向けて阪井:東京と長野は新幹線で約1時間半ですが、参加学生が合宿を行ったJA長野県総合研修所から最寄りのコンビニエンスストアは徒歩50分かかる。何か忘れたからといって簡単に買いには行けない場所でした。学生にとっては、環境

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