農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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107ンの窓口はありますが、例えばそこでやる就職フェアは、建設業、看護、農林業などいろいろな産業が一緒にできる。そのことにだんだん気づき、「今度企画する時にはみんなで一緒にやろう」という感じになったりしています。そういった意味では、共通の課題ができることによって縦割りが解消されつつあるということは一つあります。ただ、税収の落ち込みや活力がないというところで、厳しい予算の中でどうやってやるかという課題はあります。バブル期のようにお金をかけられないし、人もなかなか増えない。そういう中で工夫をして連携をとってやろう、ということにはなりつつある状況です。(*1)教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。文部科学省ウェブサイトhttp://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/_ icsFiles/aeldle/2012/10/04/1325048_3.pdf 参照。9.問題解決のメカニズム(1)過去の価値観を問いなおす阪井:これは非常に興味深いですよね。高度成長期には複雑な問題をどんどん要素に還元し、集中し解決していくことによって全体がうまくいくのだという考え方に基づいて動いていました。それにより、部署もどんどん細かくなってきたわけです。それとは逆の、分断を解消して統合するという動きがもう県庁の中で実際に起っているということですね。この手のかなり複雑厄介な問題は〝V(*2)UCA〟などと言われています。不確実で複雑でよく分からないものにどのようにアプローチするかがとても重要になってくるのですが、池田先生の話は、それに対する一つの明確な方法を示していると思って聴きました。物事に対して何か政策を打ったり、実行した

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