農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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106な見直しにつながっています。今の世の中の流れは、いかにその分断の構造を解消するかというところまで来ています。同じように、地方にも分断の構造があちこちにある。例えば長野県庁では、産業労働部の隣に農政部がありますけれども、ほとんど連携がないことが分かり驚きました。考えてみれば、中央省庁でも「これは経産省、これは農水省だ」と分かれてしまっています。最初から分かれてしまっているものが、途中で連携がうまくできるはずがありません。今回、JA長野開発機構さんにも大変ご協力いただきましたが、出席されるメンバーはほとんど全員農学部出身だということに気が付いて愕然としました。つまり、農学部以外の学部からはJAに就職するルートは全く見えていないということです。信州エクスターンシップで首都圏の若年層が還流し、JAなどにも就職すれば、分断を解消する一つの仕組みにもなります。そう考えると、地方創生における分断の構造を解消する活動としても継続できるではないかと思いました。それが川井さんも言ったような、一つの新しい世界になり得る気がします。早川さん、その辺はいかがでしょうか。早川:なかなか高尚なテーマなのですが、確かに先生がおっしゃるとおり、以前から省庁の縦割り、県庁などの組織でも部局の縦割りということは言われていました。そういった中で今まさに人口減少・少子化を迎え、いかに地域の活力を維持するか。人材確保や還流というテーマについては、どの部局も全く同じ課題に直面しています。その意味では、部局横断という掛け声は前からあったのですが、最近、実態的に部局の横断的な取り組みが増えてきているのは実感としてあります。特に人材確保ですと、移住やU・I・Jター

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