農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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105教育の現場にも、根深い分断があります。まず教科同士がばらばらで、単位制によって教科の意味もつながっていない。学生は単位を取りやすい科目を履修すれば卒業できてしまう。これは科目の分断です。また、生徒同士もそれぞれ個々に能力評価され、競争させられる。そうした相対評価によって、生徒同士の協力関係が分断されています。それから年齢による分断です。学年学級制があるがゆえに、年齢によって輪切りされている。「この年齢だったらこの教科のこういう項目を知っていなければいけない」という基準が作られ、それによって点数が付けられている。だから教育システムは、実はものすごく多層的な分断の構造になっています。その中で一人ひとりが競争に駆り立てられ、苦労しています。「いい成績を取って、なんとかいい大学へ」というのが今の教育の実態だと思います。そうした分断の構造を何とか意味を持つ形につなげて、生徒一人ひとりがもっと活き活きできるようにということで、アクティブ・ラーニング(*1)の普及や、2020年から大学入試センター試験による入試を廃止するといった制度的内藤 邦男

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