農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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104トップの方そのものなのではないかと思いました。トップの方が思いを直接学生に伝えるということが、この場ではできる。東京で就職説明会を行うことも可能かもしれませんが、社長さんや重役さんが直接来て学生さんと話をするというのは、正直言ってなかなか難しいでしょう。会社の概要や業績などを説明し、自分の仕事に対する熱意や思い、会社に対する考えを熱く語る場は、こういうエクスターンシップのようなものでないと、なかなか設けられないのではないかと思います。ですから、受け入れる側の企業の利得としては、例えばエクスターンシップの場で学生と社長あるいは重役が直接話をしている様子をビデオで撮っておけば、それを企業としてもPRに使えるのではないでしょうか。一般に、インターンシップを実施している企業からは、残念ながら「すぐに学生が採れました」という話は聞きません。そういう形の成果が期待しがたいのであれば、そういう場を活用して、どのように企業にメリットや利得を与えられるかということをわれわれも考えないといけない。そうでなければこの事業を継続していくことは正直難しいと思っています。先生方のお知恵を借りながら、ぜひ受け入れる側のメリットも具体的にしていっていただけたらと思います。8.地方の分断構造の解消へ阪井:それは大変な重要なことだと私も思います。今日は池田先生、川井さんからも「分断」というキーワードが出ましたが、信州エクスターンシップは、「分断」に対する一つのアプローチであったとも言えます。これは地方創生と極めて密接な活動になり得るのではないかと思っています。

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