農山漁村地域の再生・活性化に向けた若年層の地方人材還流戦略
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100川井真:今回のお話は本当に新たな取り組みだと思いました。長野県さんが本腰を入れてこの事業に取り組もうとした時、新しい人材還流の動きをつくるという意味で、私は瞬時に興味を持ったわけです。現在、当研究所では、地域再生は重要な課題のひとつになっています。特に超少子高齢化・人口減少の時代の中にあって、地方都市は過疎化が激しい。人は宝、財産なのですが、力を発揮してくださる若い世代がすっぽり抜けていってしまうのは、大きな危機だと思っていました。なぜ若い人たちにとって、地域がこんなに魅力のない場所になってしまったのか。私の中では結論めいたものはあるのですが、それを悩んでいても仕方がない。できることからやっていこうと、「Why Work?プロジェクト」の立ち上げ段階から全面的に関与しているわけですが、それを具現化するために長野県さんが立ち上がってくれた。まさにここで全力投球して結果を出したいと思ったわけです。阪井先生からもお話があったように、当研究所からかなり人も出しました。長野ではレンタカーも利用し、学生さんの毎日の送迎も私が運転手になってさせていただきました。その中で学生さんたちとも会話をし、いろいろ感じることもありましたし、また活動の可能性も見い出せたのです。特に、都市部で生まれ育った学生のお父さん、お母さんも、やはり都市部で生まれてきた方が多い。そうすると、地方というのは旅行に行くところでしかなくなってしまっている。だから、やはりここは誰かが「こんな生き方、働き方、暮らし方もあるんだよ」というのを体験させなければいけない。そのことに、大きな価値を見い出せたわけです。前段で髙木からも報告がありましたが、各地域でさまざまな取り組みがなされています。例

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