縮小しながら発展する地域の創生
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96た若い人の本で、私は非常におもしろく読みました。中沢先生のお話とそのままつながるのですが、世の中にあるものはだいたい、農産物も含めて腐るのが当たり前で、それが循環していきます。やや単純化して言うと、世の中に腐らないものが一つだけあって、それが貨幣です。貨幣は腐らないどころか、どんどん増えていく。この本では、本来の「腐るものが循環するような経済」のほうが、「腐らないものがどんどん大きくなっていく経済」よりも健全なのではないかという趣旨で書かれています。パン屋としての実践も踏まえた上での、しかも資本論も参照しながらの議論なので非常に説得力があるのですが、今の話とまさにつながってくると思いました。希望を込めて言えば、先ほど内藤理事長が若い世代の話をされていましたが、彼らはわりと起業意識や社会貢献意識のようなものが

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