縮小しながら発展する地域の創生
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7そして次第次第に、大きな白地のキャンパスの上に、これから日本が超少子高齢・人口減少時代を迎える中、社会・地域のあり方を考えるうえでの重要なワードが刻まれ、おぼろげながらも確かな手ごたえを感じる輪郭が描かれるような時間を共有しました。議論の中で示された「ファストからスロー」、「クローズドからオープン」、「思い切って働き方を変える」、「“閉じて開く”ことのバランス」、「さまざまな世代が参加するコミュニティ経済」、「国是より郡是」、「富本主義」などの言葉。言葉だけでは理解が難しいと思いますが、本冊を注意深く読んでいただければ、「縮小しながら発展する地域の創生」を考えていく上で、それぞれ示唆に富んだものだとご理解いただけると思います。また、これらの議論そして言葉が、地域再生に「同じ志を持った仲間」から、過去2回のセミナーとの連続性の中で紡ぎだされたものということも理解いただけるのではないかと思います。当研究所では、「食・エネルギー・ケアを基盤とする農山漁村地域の内発的発展モデルに関する調査研究」という事業計画を立ち上げています。そして先にも触れたように、地域再生の実証プロジェクトとして、平成24年から25年度セミナーの中心となった愛知県三河中山間地域での地域コミュニティ再生の取組み、また27年度からは長崎県対馬地区での自立型地域モデル事業計画づくり、28年度は長野県で実施することとなった「信州エクスターンシップ事業」(都市部の学生を対象とした地域就業体験の取組み)にも参画しています。当研究所が取り組む地域再生のこれらの実証研究は、マスの取組みでもマニュアル化されたものでもなく、現場の人々と手さぐり・手作りで取り組む小規模のものです。

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