縮小しながら発展する地域の創生
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84けっこう強かったわけです。ビジネスにするにしてはアイデアが未熟なところもありましたが、「変えたい」「何かをしたい」「何かをやってみて、それをビジネスとして立ち上げていきたい」という意識がありました。そのときに私が思ったのは、彼らのやりたいビジネスというのは、大してお金がかからず、「20万円でも30万円でもいい」「100万円あれば十分」だということです。また、そうした若い人の、未熟かもしれないけれども「やりたい」というビジネスを支援するような仕掛けがなかなかない、ということにも気づきました。そうしたものを試行錯誤していけば、そこからベンチャーやイノベーション、おそらくプロセスのイノベーションなどが出てくるのではないでしょうか。若い人は意識が変わってきています。若い人がいろいろなアイデアを持っていることも確かです。ただ、それを生かす環境、生かしてあげる環境というものは、まだまだ少ないのかもしれません。それをつくってあげることが、若い世代に元気が出て、生産年齢を超えた、今後増大する多くの高齢層を支えることになるのではないでしょうか。それから、確かに生産年齢人口は減っていますが、それだけを言ってみても仕方ありません。増えていく高齢者、生産年齢を超えた人たちを、サービスを受けると同時に、サービスを提供する層に変えていけば、別の局面になります。単に公的保障や財政資金を投入するだけではなく、彼らがその財政負担を一部肩代わりすることになると思います。その意味では、西村先生のおっしゃるような、社会全体で支えるようなシステムをつくっていけばいいので、そこに若い人のアイデアも入って来る余地があるのではないでしょうか。です

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