縮小しながら発展する地域の創生
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66の場合、地域差が非常に大きくて、その圧力が非常に強いところや、ちょっとかさぶたが取れてしまっているようなところなどもいくつか出始めています。僕が川井さんと一緒に歩いている場所では、圧力が少し外れかかっているところが多いと思います。そうした場所で中心になっているのは僕らの世代ですが、話をしていると、こちらの考え方と相手の考え方が即座にツーカーになっていく場所がいくつかあります。逆に、話がまったく通用しない場所もあります。僕は山梨県民ですが、地元にいると、話が通じないという体験がものすごく多いです。一方、たとえば、三重県や東北の人たちと話をしていると、「これはもう、自分たちは変わらざるを得ない」というところに押し出されてしまっていて、圧力どころではなくなっているというところがいくつかあります。この圧力がいつまで続くか。今、この圧力はアベノミクスやさまざまな問題とも連動しながら動いていますが、おそらくは変化の兆しは見えるのではないでしょうか。2.「ファストからスロー」、  「クローズドからオープン」に川井:さて、先ほど広井先生から学生のお話がいくつか出てきました。新しいものに気がついて一歩踏み出そう、あるいは、言葉にはしづらいけれども何かを自分で感じ取って「今の方向はちょっと違うから、自分は違った生き方をしよう」という学生や子どもたちが増えてきているような感じがします。今の問題と絡めて、何かご意見をいただけますか。広井良典(以下、広井):私も中沢先生のご発言に、かなり勇気づけられたというか、希望を感じました。

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