縮小しながら発展する地域の創生
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56観点から肥満のもたらす社会的費用の研究を始めました。びっくりしたのは「パラオはタロイモばかり食べるから肥満が多くてどうしたらよいか」と言うので、私は「給食を導入しませんか」という話をしました。そういった話も含めて、1次、2次、3次をどうやってつなげていくかが、これからの産業構造のあり方として大事なポイントとなるのではないかと思います。6.人口減少社会・  超高齢社会の注目点(1)軽症認知症患者をどうお世話するか今、厚生労働省が中心となって、地域のローカルコミュニティをどうやって活性化するかという観点から、「地域包括ケアシステム」を話題にしています。この話は省略しますが、今、軽度の認知症患者の方をどのようにお世話していくかが、大きな社会的問題として岐路に立っています(図4)。ご承知と思いますが、認知症の方のJR事故について、最高裁の判決がありました。今回の原告はJRでしたが、もし被害者が出たら誰がその損害賠償をするのか、という話が出てきます。そこで両極端に分かれます。一つは、そうした人はやむを得ないから施設に入れる。もう一つは、地域社会を変えて、いろいろ周りを散策される人をちゃんと地域で支援するという方向です。広井先生の話の続きをすると、後者の最先端を行っているところはローカルなところから発生しています。例えば福岡県大牟田市は認知症サポーター制度がかなり普及し、さらにその少し上を行く展開を始めています。

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