縮小しながら発展する地域の創生
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53地域創生と経済・暮らしのレジリエンス(しなやかな強さ)なりました。簡単に言うと、決まった時間に決まった時間だけ働くという傾向があるので、割と結婚はしやすい。むしろ、飲食業や旅館業の未婚率が高いです。これはあくまで問題提起ですが、「働き方」は出生率にも関係しています(次頁図2)。(2)「働き方」と産業構造簡単にまとめると、「働き方」は産業構造によってかなり違います。特に、第1次産業はかなり違います。漁業などはまさにそうで、時化があったら家でゆっくりしているしかないわけです。だから働き方は柔軟です。しかし、自然に影響されます。第2次産業は、労働時間が割と長いケースもありますが、働き方は規則的です。第3次産業は、本来の仕事から考えたらもっと柔軟な働き方をしてもいいはずなのに、どうに調べてみると、日本の場合は出生率と未婚率がだいたい対応しています。つまり、フランスは結婚しなくても子どもができるケースがたくさんありますが、日本はそうではなく、「結婚する」ことと「子どもをつくる」ことは、割と正の相関があります。残念ながら、農業に関しては男性と女性とでちょっと違います。男性の第1次産業の未婚率はそんなに高くないのですが、女性は高い。つまり、ちょっと言葉は悪いですが因果関係が逆で、女性は結婚して農業に従事することは少ないということです。ただし、もっと最近のデータを精査する必要はあります。逆に、よくブラック企業という言い方をしますが、やはり第3次産業では結婚が難しい産業が多いことが窺えます。意外なのは、第2次産業の製造業です。最近の製造業の労働時間は、昔と比べてかなり短く

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