縮小しながら発展する地域の創生
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50います。このような話は認知症のコミュニケーションにも関係しています。コミュニケーションを上手に取れる人のほうが認知症になりにくいという研究はたくさん出ています。ただし、なりにくいという話で終わらないでください。認知症になった後にどうするかという、もっと大事なテーマを後で問題提起します。(*2) ニコラス・A.クリスタキス,ジェイムズ・H.ファウラー著,鬼澤忍訳(2010)『つながり:社会的ネットワークの驚くべき力』講談社(3)介護予防事業を活用した地域づくり高齢者医療の研究については、千葉大学がすばらしい先生をたくさん輩出しておられます。近藤克則先生という方は、愛知県武豊町で介護予防の成功事例の研究をしています。ここでの大事なポイントは、「地方のほうがコミュニティの交流がしっかりしていて、大都会はコミュニティの関係がない」ということではないということです。地方都市でもコミュニティの関係が希薄なところもあれば、逆に大都会の団地ですごくうまくいっている事例があるということを、近藤先生は研究しておられます。以下、近藤先生に教えていただいたことの紹介です。1つ目はちょっと笑えてきますが、「公園の近くに住む人は1・2倍頻繁に運動する」。これはまちづくりの問題提起にもなりますが、車社会をどうやって変えていくかということも結構大事なテーマになるかと思います。最近では「都市計画は健康政策でもある」という観点の研究がかなり増えてきました。2つ目は、「サポートの有る無しによって、うつになるかどうかということが違う」ということを示しています。

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