縮小しながら発展する地域の創生
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48と維持管理する努力をしなければ、どんどん価値が下がっていくものではないかということです。今までは私たちが持っている私的財産の話をしましたが、意外にこの国は、高度成長の中で公的な財産をたくさん貯めてきました。これをどうやって活用するかということも、これからの地域コミュニティにとってはとても大事な話です。それには入会地の話などいろいろあるのですが、意外に簡単ではありません。10人のうち9人が「これをみんなで仲良く使おう」と言っても、1人が「嫌だ」と言ったらこれを有効活用することはなかなか難しい。ここに関しては後で広井先生と中沢先生にお教えいただこうと思いますが、そうしたものを地域コミュニティで有効に活用するための手立ては何かということは考える必要があります。特に、見えないものはある程度「見える化」しないといけません。その事例として、藤沢の小規模多機能施設「あおいケア」の私有財産がいかに公的に有効活用されているかという話を後で紹介します。ちょっと古いデータですが、公的財産は454兆円あると推計されています。この数字が大きいか少ないかは時間の関係で申し上げませんが、とにかく結構たくさんあるということです。(2)目に見えていない経済変数さらに私たちには、目に見えないために考えてこなかったことがたくさんあります。まず、家事労働そのものがかなり変貌しました。これは次の働き方の話との関連で、あえて申し上げておきます。そして、地域の相互扶助活動です。昔のデー

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