縮小しながら発展する地域の創生
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3がる新たな生活基盤の可能性を探る~」をテーマとし開催しました。セミナーでは「食」「自然エネルギー」「ケア」の各分野において地域コミュニティづくりに精力的に取り組まれている3名の実践者、愛知県厚生連足助病院・早川富博院長、愛知東農業協同組合・河合勝正組合長、東京農業大学農山村支援センターの澁澤寿一先生に事例報告をしていただきました。その後今回のセミナーでもパネリストとして参加をいただいた明治大学・野生の科学研究所所長の中沢新一先生を交えて、個別報告を踏まえ、永続的な地域コミュニティづくりの条件や協同組合の存在意義などについて幅広い議論が展開されました。当時のセミナー特集号では、「彼らは当研究所にとって、研究プロジェクトの共同研究者というよりはむしろ、地域再生という「同じ志を持った仲間」という感覚に近い存在です」と記されています。実は、このセミナーに参加いただいた4名の先生方は、足助病院の早川院長をはじめとする地元の有志たちが企画した「香こうらんけい嵐渓シンポジウム」(愛知県三河山間地域の健康創造をテーマに開催)を通じて交流のあった方々でした。その翌年度のセミナー(平成27年3月実施)は、前年度の流れを受け、「ケア」の問題についてさらに多角的かつ専門的な視座からの検証を行うことに主眼をおきました。テーマは、「2025年の日本を俯瞰した調和的な社会経済モデルを探る~これからの10年、地域の高齢化問題にいかに向き合っていくか~」。2025年には、団塊の世代と呼ばれる方々のすべてが75歳以上の後期高齢者になる中、高齢者が人生の最後まで住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けるためにはどの

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