縮小しながら発展する地域の創生
48/122

46とができました。こうした状況に国土交通省は問題意識を持ち、平成25年から「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」を設置しました。(8)移ろいやすい住宅ストックの資産評価なぜ、こうした話をしたかというと、日本は高度成長期に一生懸命働き、ものを貯めようとしてきました。その一つの代表が住宅です。それ以外にもいろいろな財産を保有する豊かな国になりましたが、GDPは月々あるいは年々どれだけのお金が入るかというフローなのです。それが貯まってくると、それは国富や個人の財産になります。これをストックと言います。この財産を貯めるために、一生懸命働いてきました。しかし、マネー資本主義が恐ろしい理由の一つは、持っている財産が突然消えてしまったり、価値をどんどん下げることがしばしばあるということです。実際問題として、こんなにお金を出して、住宅ローンで借りて家を建てたのに、その使ったお金に比べて現在の価値がいかに低いことか。そこで国土交通省は、中古住宅・リフォーム市場活性化の経済波及効果を一生懸命に考えました。例えば、金融資産や住宅資産などを含めた家計の総資産総額は2686兆円になり、今の日本社会はこれくらいの財産を持っていると言われています。しかし、これは明日にもドーンと値打ちが下がるかもしれないのです。一生懸命お金を貯め込んで「やったー」と思っていたら、ある日、「値打ちがなくなりました」となるかもしれません。これは今、都会で起きていることです。5000万円で買ったマンションが、ある時期7000万円に上がったと喜んでいたら、今は

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る