縮小しながら発展する地域の創生
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45地域創生と経済・暮らしのレジリエンス(しなやかな強さ)ションする」という社会をどうやって変えていくかがとても大事ではないでしょうか。(6)日本における中古品市場の現状少し例を紹介します。日本における中古品市場の現状は本当に寂しいものがあります。超高齢社会で、一部に「断捨離」という言葉が言われています。私ももう70歳になりましたが、ほとんど使わない余計なものをたくさん持っています。でも、これをどうやって必要としている方のところへ持って行くかというのは、意外に簡単ではないのです。ご承知だと思いますが、「俺はこのシャツは要らない。だから被災地に寄付する」と言って被災地へ送ったら、誰も欲しがらなかったということがあります。そこの交易をこれからどうやっていくのか。誰が、何を本当に欲しているかというデータをどのようにして集めるのか。もちろん、足で歩いて、そこで何が必要とされているかを実感するのがスタートだとよく言います。しかし、まずは顔の見える関係をつくって、一回帰る。その上で、あそこで必要としているもので私が必要としていないものはないかを考えることになります。実はこうした話は本来、市場というものの割と根源的なものの考え方のスタートになります。(7)中古住宅市場の現状そういった交易をやる場合に、いかに日本は中古住宅市場が発展していないかがわかります。その理由として、よく「石の文化と木の文化の違いだからどんどん壊す」という話をおっしゃる方がおられます。まだ十分使えるのに、誰も使っていない家がどんどん増えてきました。その結果、残念なことに日本の中古住宅市場は他の国と比べていかに遅れているかを目にするこ

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