縮小しながら発展する地域の創生
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44(5)「もの余り経済」と「もの不足経済」日本の社会全体を見ると、まだ多くの地域は「もの余り経済」です。しかし被災地に行ってみると、さまざまな意味で「足りないもの」がたくさんあります。ちゃんとした家に住むことができない方もたくさんおられるわけです。その反面、そこらじゅうに空き家が増えてきたという日本の現象は、矛盾以外の何ものでもないと考えることができます。私は関西出身ですが、5年前の震災が起きる直前くらいから東京に勤務していました。しかしお恥ずかしいことに、東北地方のイメージがどうしてもできませんでした。その後、被災地を訪れて本当にショックでした。関西と比べると、相当文化が違う印象で、かなり戸惑いました。先ほど広井先生も、東京都のものは東北で生産されるもので成り立っているとおっしゃいました。「もの」もコミュニケーションの一つの手段ですが、これからは「ものだけで物事を評価する」「ものだけをイメージしてコミュニケー

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