縮小しながら発展する地域の創生
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41地域創生と経済・暮らしのレジリエンス(しなやかな強さ)1.はじめに今日の話のポイントは、「GDPの呪縛からどのように逃れるか?」です。次に「地域社会に今ある財産を見直す」という話をします。そして、「働き方と産業構造の関係」について考えたいというのが私の報告の趣旨です。これから人口が減少し、かつ超高齢化が進む日本は、かなり大きな課題を抱えていると思っています。特に強調したいことは「75歳以上でなければ『高齢者』と呼ばないことにしましょう」つまりもっと正確に言えば、75歳以上でもたくさん元気な方がいますので、そうした方が社会に貢献していただくためにどのようにしたらいいかを考えたい。私も70歳になりましたが、頑張っています。コミュニティについて、私の注目点は、ある小さな社会におけるコミュニティの緊密さが、時には外に対して閉鎖的になるという問題をどのように考えるかということです。2.GDPの呪縛から  「どのように」逃れるか(1)GDPについてのさまざまな見方かつて「くたばれGDP」と言われた時代があったにもかかわらず、しぶとく生き残っているのがGDPです。いまだにGDPを上げるのだとおっしゃる方が少なからずおられますが、なぜそうなるのかを解明したいと思います。(2)成長志向と「結果としての成長」成長志向と「結果としての成長」は違います。広井先生は、成長志向はもう止めようとおっしゃっていると私は理解しています。ただし、結果として成長するかどうかということは違います。

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