縮小しながら発展する地域の創生
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33人口減少社会を希望に~グローバル化の先のローカル化~本には風土を生かした自然エネルギーのポテンシャルがあるわけです。これらを農業との関連も含めて、さまざまな形で生かしていくことが課題ではないかと思います。(5)『相互扶助の経済』の議論私が去年読んだ本の中で最も印象深く感じた1冊に、テツオ・ナジタさんの『相互扶助の経済(*2)』があります。著者はハワイ出身の日系アメリカ人で、シカゴ大学の教授を長く務められました。『相互扶助の経済』は、コミュニティ経済と重なり合ってきます。著者は無尽講、頼母子講と言われる「講」について論じています。まさに「共済」ということです。「それを手がかりにして、近世までの日本には「講」に代表されるような相互扶助の経済の伝統が脈々と存在していた」と書いています。続いて、「しかもそれは二宮尊徳の報徳運動に象徴されるように、村あるいは個別の共同体

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